TUT Formula

第7回全日本学生フォーミュラ大会参戦マシン TG04

コンセプト


基本性能を「軽量」「高剛性」「低重心」とし,またTG03に引き続き更なる「のりやすさ」の追求を行います. このため,軽量化を実現するためにCFRPやチタンなどへの材料置換.高剛性を実現するためにTG03同様にカーボンモノコックシャシを導入. また,低重心を実現するためにステアリングラックやペダル類を下面に取り付けました.

カーボンモノコック

TG04ではTG03同様に車台構造をカーボンモノコック構造としました. また,昨年度の2ピースを改め1ピースとし,形状は曲面を多用することで応力の分散とカウルの省略を可能としました.

パッケージング

旋回性能の向上のためホイールベースを1700mmから1550mmに変更.また,ドライバーをTG03より寝かせて配置することにより,低重心を実現しました.

サスペンション

サスペンションはフロント,リアともにダブルウィッシュボーン・プッシュロッド式を採用しています.

パワートレイン

エンジンはTG03と同様モーターサイクル用エンジンHONDA PC37E(CBR600RR)を搭載しています.
シャシダイナモ上での試験を繰り返し,F-SAEの規則で要求されるリストリクタの存在下での吸気系,排気系,エンジンマネジメントの再セッティングを行いました.
TG04ではヘッド面研を行い圧縮比を向上させ、熱効率の向上を目指しました。また、カムはオーバーラップ・リフトが大きいものに変更し、中回転域を犠牲にすることなく高回転域での出力を向上させました。最高出力・トルクは80ps,5.5kgf・mを達成しています.

ドライブトレイン

1速での駆動力がタイヤのキャパシティに対して過大にならないように最終減速比をTG03の4.070から2.923としています.2速での最高速が120km/hですので1-2速のみでオートクロスコースを走行することが可能となりました。トルク特性がフラットなため、ミッション段数が減っても走行性能に影響を及ぼしません。
3-6速は使用しないため、軽量化とエンジンレスポンス向上のためにギアを取り除くことができます。
最終減速比を小さくしたため、ドリブンスプロケットを小型化でき軽量化に寄与することができました.ディファレンシャルには軽量・小型のシュアトラックLSDを採用しています.潤滑をグリスで行うことにより,デフケースの省略を可能としています.

エレクトロニクス

計器盤はステアリングホイールに内蔵されており,ドライビングポジションによる視認性の変化をなくしています.
サスペンションストロークセンサ,加速度センサをはじめとした各種センサを搭載し,データロガーをもちいた定量的なセッティングの指標の取得に対応しています.

主要諸元

全長3050mm
全高970mm
全幅1390mm
ホイールベース1550mm
トレッド 前/後1200mm / 1100mm
最低地上高30mm
車重195kg
エンジンPC37E 599cc
最大出力(クランク軸出力補正値)78.8ps/12600rpm
最大トルク5.3kgm/10200rpm
駆動方式チェーン駆動
サスペンション 前/後ダブルウィッシュボーン / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後アウトボードツインローター / アウトボードツインローター
タイヤ 前/後180/510-13 Bridgestone / 180/510-13 Bridgestone