TUT Formula

第4回全日本学生フォーミュラ大会参戦マシン TG01

コンセプト

我々はTG01のコンセプトを「静」と決定した.一般にレーシングカーと云うと,けたたましい音とともに走り抜ける印象がある.走る場所がサーキットとはいえ騒音の問題は周辺環境に悪影響を与える.
これからのレーシングカーはただ速く走るのではなく,静かに,低エミッションに,スマートに走る必要があると考える.これらの要求を「静」という一文字に集約した.

フレーム

軽量かつ高剛性な鋼管スペースフレームとし,サスペンションが有効に動作するように設計した.

サスペンション

前後ともダブルウィッシュボーンとし,セッティングの自由度を幅広く設定した.
また,プルロッドタイプとすることでロッドの重量を抑え,またダンパーユニットを低く配置することができ,軽量化と低重心化に寄与した.

パワートレイン

CBR600RRのエンジンであるPC37Eを採用.レギュレーションで吸気量を制限するリストリクタの装着が義務づけられるため,出力の低下は避けられない.
しかしながら,完全等長としたインテークマニホールドにより吸気効率を向上させ,出力の低下を最小限に抑えている.

ドライブトレイン

軽量シンプルなチェーン・スプロケットを採用した.チェーンは静音チェーンとすることで駆動騒音を抑えることに成功した.
ディファレンシャルにはATV用の軽量コンパクトなカム式のLSDを採用.コーナー立ち上がり時に効率よくトルクをタイヤに伝えることができる.

カウリング

GFRP製のフロントカウルを備える.軽量化のためサイドポンツーンを廃したため,空気抵抗やラジエータへの導風などに若干の問題があるが,それ以上に軽量化の重要性は大きいと考える.

操作系統

足下にはアクセルペダルとブレーキペダルのみを配置し,クラッチ操作とシフト操作を行うレバーをコクピット内に配置.

主要諸元

全長2460mm
全高1050mm
全幅1380mm
ホイールベース1550mm
トラック 前/後1150mm / 1200mm
車重270kg
エンジンPC37E 599cc
最大出力(後軸出力)53ps/9200rpm
最大トルク4.7kgm/8700rpm
駆動方式MR チェーン駆動
サスペンション 前/後ダブルウィッシュボーン / ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後アウトボードツインローター / アウトボードツインローター
タイヤ 前/後Hoosier 20.5 x 7.0 - 13 / 20.5 x 7.0 - 13